【第1回】すぐに使える対人術 目線 人の目を見て話す
「人と話す時は、相手の目を見なさい」
と、教わったことはありませんか?
人の目を見る。という行為には、
- 私は、あなたの話を聞いています。
という意味があります。
これを拡大して表すと、
- 私は、あなたに注目しています。
- 私は、あなたに興味があります。
- 私は、あなたの目をずっと見ていても恥ずかしくありません。
といった意味合いを持っています。
目は口ほどにものを言います。目の挙動は人の考えを表すサインの一つで、人間のコミュニケーションにとても大事な働きをしています。
例えば、上の方に目線をやっていると、何かを考えているように見えます。反対に、下の方に向いていると、何か別の事を考えているように見えたりします。
このように、自分の目がどの方向を向いているのかというのは、相手への印象に大きく影響する、コミュニケーションにとても重要な要素なのです。
さて、人の目を見て話すという今回の主題に戻りますと、結論から言えば、ずっと人の目を見ながら話をする必要はありません。自分が重要だと思う内容を伝える時に、しっかり相手の目を捉えられれば充分です。
面接の時には、相手の鼻を見て話すようにすると良い。という話を聞いたことがあるかも知れませんが、基本的にはそれと同じです。
要は、相手から見て、きちんと話を聞いていると思わせられれば良いということです。
これを言い換えると、こちらに相手とのコミュニケーションを取る意思があることを明らかにし、それを円滑に進めるための配慮をするということになります。これが対人術の本質です。
相手の目を見ながら話をする。というのは、親しい関係でもない限りは、見る自分にも見られる相手にも大変な負担を強います。
また、目以外の相手のどこか(例えば鼻)に注目して会話をすると、そこに目線をやることに意識が向くので、相手の目を見る機会が極端に減ってしまいます。話をする時も聞いている時も相手とこちらの目線が合うことが無いので、機械的な印象を与えてしまうことがあります。
取り立てた理由もなしに、相手の顔のある一点を見ながら会話をするというのは、通常ではありえない行動です。その結果として不自然である、という印象を相手に与えてしまっても不思議ではありません。
そこで、ここでは会話の中で意識的に目線を動かすことを提案します。
例えば、
相手の話をちゃんと聞いている姿勢を見せるには、口元に意識を向けるのが効果的です。口の動きに注目すると、視覚的にも言葉の情報が得られるので、相手の話す内容を理解しやすくなる働きもあります。
自分の意見を述べる時には、相手の目をしっかり見ると強く印象付けられます。ずっと相手の目を見続ける必要はなく、大事な部分を強調する時にだけ目を合わせるようにすれば大丈夫です。
目線の方向によって相手に与える印象が変わることを理解して使い分け、自分の心の動きを相手に伝わりやすくすることが目的です。
言葉によるコミュニケーションだけでなく、目線が与える相手への印象も活用することによって、互いの意思疎通がより円滑になるでしょう。
<まとめ>
- 人と話をする時には、自分の目線にも注意しよう。
- 意識的に目線を動かすことで、相手に自分の情報をより多く伝えられる。
- 自分の話を聞いてもらいたい時は、相手の目を捉えよう。話の中で特に大事な部分に合わせると、強く印象付けられる。
謹告
この文章は著者の主観に基づく考察が多分に含まれます。内容を実行して何らかの不利益を被った場合においても、その責任は一切負いかねますのでご了承ください。
また、ここに書かれた技術が誰にでも適するとは限りません。内容を基にして、自分なりの工夫をされることを推奨します。
自分に合った対人技術を身に付けることが最良であり、この文章が読者の役に立つことを願っています。