すぐに使える対人術

人と上手に話す「対人術」を解説しております。ぜひ、お試し下さい。

【第22回】すぐに使える対人術:上級編 自己分析3/人の行動のパターン化

この「すぐに使える対人術」上級編は、自己分析から始まっています。自分がどういう時に何を感じるのか、その感じる理由や状況をパターン化して、自分の性質を知っておくことをお話ししました。今回は、それを踏まえた上で、相手の行動のパターン化をお話しします。

かつて、人相学というものが流行りました。人の性質は顔に出る。顔の特徴を分類し、分析すれば、人相からその人のことが分かる。というものです。これが正しいのかどうかは、占星術と同じ水準で考えれば良いでしょう。この話の重要な点は一つだけです。人間の持つ特徴は、分類することができる。という点です。分類できるということは、一定の基準に従えば、法則性を見出せるということを意味しています。法則が理解できれば、人間の特徴をつかめるのかも知れません。

 

自己分析の回で説明した印象についての説明と似ているので、すでにお分かりかも知れませんが、人間の感じる事柄や反応の種類は、それほど多くありません。自分から見て外の世界から受ける刺激や出来事は、全て条件の違う異なったものですが、それに対応する人間の反応は、驚くほどに種類が限られています。違うように見えるのは、個人個人の感じ方、印象の持ち方が違うからです。同じ刺激に対しても、人によって反応は違います。しかし、反応が違う人に対しても、刺激が変われば同じ反応を示すかも知れません。

具体例を挙げます。甘い物が好きな人と、辛い物が好きな人がいます。両者に甘い物をあげると、好きな物をもらって喜びを表す人と、食べ物をもらったことに感謝する反応の違いが表れます。次は反対に辛い物を両者にあげると、反応は逆になるでしょう。

何が言いたいのかというと、人によって反応する条件が違うだけで、反応の種類は限られているということです。

 

相手が反応する条件が何かを把握すれば、相手から引き出せる反応をコントロールできるのかも知れません。しかし、パターン化するのは無限にある条件や刺激の種類ではなく、反応の方が簡単です。人間が喜怒哀楽その他の感情を表す時、その方法にはパターンがあります。それを知っていれば、相手がどのような感情を抱いているのかを推測することができます。

 

さて、そうは言っても、他者はこちらの分析の都合に合わせて感情表現をしたりしませんし、例えば相手をわざと怒らせるような行動を取る訳にもいきません。そこで、自分を分析します。自分が感情的になった時、どのような行動を取ったかを思い返してみましょう。ある程度の年齢に達した人ならば、感情的になっても、それに振り回されて完全に自我を失うことはないはずです。自己分析の延長線として、自分の行動を思い出し、パターン化してみましょう。

 

自分も、他者も、同じ人間です。どんな人間も、共通の行動を取るのは当たり前のことだと言えるでしょう。反応のパターン化をすることで、相手の感情を知れば、何かと有利に物事を進められる。かもしれません。

 

<まとめ>

l  世の中で起こることは色々あっても、人間の反応には一定のパターンがある。

l  人によって何に反応するかは違っても、反応の種類は共通する。

l  感情に対応する人間の反応パターンを知っておくと、相手のことが良く分かる。

 

謹告

この文章には著者の主観に基づく考察が多く含まれています。内容を実行して何らかの不利益を被った場合においても、その責任は一切負いかねますのでご了承ください。

また、ここに書かれた技術が誰にでも適するとは限りません。内容を基にして、自分なりの工夫をされることを推奨します。

自分に合った技術を身に付けることが最良であり、この文章が読者の役に立つことを願っています。

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