すぐに使える対人術

人と上手に話す「対人術」を解説しております。ぜひ、お試し下さい。

【第17回】すぐに使える対人術:中級編 対人哲学5/心の防御・安定

人間関係において感情の衝突や、意見の食い違いは頻繁にあることです。そのような状態になると、少なからず人間は衝撃を受けてしまいます。今回は、自分から行う対人術ではなく、相手側の行為をどう受け止めるのかについてお話をします。

何か自分の外側から刺激を受けた時、生き物は必ず何らかの反応をします。常に何事にも動じない。というように見える人がいるのですが、そういう人でも何かあれば反応します。その反応が短い時間で済み、かつその後は気にしていないという点が違うのです。

 

具体的に説明します。近くでいきなり怒鳴り声が聞こえた時、人間はびっくりします。驚いて立ち上がったり、声がした方向を振り向いたりと色々な反応を示すでしょう。これは、生き物として当然の反応です。自分の身に危険が迫っていないかどうかを確かめる必要があるからです。

しかし、問題は危険が無いことが分かった後です。びっくりしたままでびくびくしていたり、驚いたせいで何をやっていたのかを忘れてしまったり、怒鳴った相手にイライラしたりと、上手く心を衝撃から切り替えられない状態になってしまうことがあります。これは、心が、自身に降りかかってきた出来事を認識し切れず、理解できなくて混乱している状態です。心が受けた衝撃を処理して安定するまでの状態を短くできれば、何事にも動じない状態に近付きます。

 

人間は、事前に意識した事柄に対して耐性を持つことができます。あらかじめ何が起こるのかが分かっていれば、心の中で準備ができるので対策を取れます。しかし、余程の人生経験を積んでいれば別ですが、日頃の生活や人間関係の全てに対して事前準備をしておくことはできません。そのため、反応はしても、その後まで残さない。気にしないようにする技術が大事になってきます。

 

今回の提案は、人を相手にする時の心構えを覚えることです。その心構えとは、人間を相手にするのだから、何かあるのが当たり前。です。突然怒鳴り散らされることも、泣き出されることも、有り得ないとは言えないのが対人関係です。それら全てを網羅して想定することは不可能ですが、常に何かあるのが当たり前であると思って人を相手にしましょう。この心構え一つで、衝撃を受けた時の処理速度に大きな差が生まれます。

 

無理に冷静な対応をしようとしたり、別の事柄を考えようとしても、心が衝撃を受けたままでは上手く行きません。いかに心の動揺を引きずらずに、次の行動に移せるかが重要になります。これには心の持ち方が大きく関係します。

ここでできるアドバイスとしては、衝撃を正面から受け止めるな。という事です。何が起きたのかを客観的に捉えることで、自分の中で状況の理解ができれば心の動揺を早く収められます。現状を認識しようとしても上手く捉えられなかったら、自分は落ち着く必要があると意識してみてください。自分が動揺していることを自覚するだけでも、大分落ち着けることを覚えておきましょう。

相手が何を言っていても、納得できるまでお互いに話し合えれば最終的に折り合いをつけられない問題はほとんどありません。その障害になるのは話し合いの最中に心が衝撃を受けて動揺してしまうことによって、まともな話し合いができなくなるためなのです。注意してください。

 

<まとめ>

l  人間を相手にすれば、予想外のことが起こるのが当たり前。

l  心が動揺してしまった時は、それを自覚してみよう。

l  心構え一つで、意識は大きく変わってくる。

 

謹告

この文章は著者の主観に基づく考察が多分に含まれます。内容を実行して何らかの不利益を被った場合においても、その責任は一切負いかねますのでご了承ください。

また、ここに書かれた技術が誰にでも適するとは限りません。内容を基にして、自分なりの工夫をされることを推奨します。

自分に合った対人技術を身に付けることが最良であり、この文章が読者の役に立つことを願っています。

スポンサードリンク