すぐに使える対人術

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【第21回】すぐに使える対人術:上級編 対人哲学6/味方の数

人間が一人の力でできることには限りがあります。そんなに才能や技術、能力があろうとも、一人の人間である限り、行動や活動には制限が生じます。民主主義が重視される現代社会では、更にその傾向は強まります。正しい主張を一人でするよりも、徒党を組んで誤った主張を打ち上げる集団の方が影響力が高いのは、いつの世も同じです。

今回のテーマは、味方の数についてです。自分と一緒に活動してくれる人の数についてのお話。ではありません。何もしてくれなくても、自分と同じ側に立ってくれる人が一人でもいれば、満足感を得ることができます。何故ならば、一人ではない。というだけで、二つの効果があるからです。

1.自分が独りよがりな存在ではないことの証明

2.孤独な戦いではないという心理的支え

 

2は冗談ではなく、重要な効果です。一人きりで何か活動をするのは、短時間であれば誰でも平気ですが、長期間に渡って続けるとなると大きな負担がかかります。自分の他にも同じ考えの人間がいることを知っているかいないかで、精神的な負担は大きく変わります。どんなに強く意思を保っていても、正しい内容であっても、一人きりでは長続きしません。人間は、自分の起こした行動に対して、何らかの変化が起きない場合には、その行動の価値を低く見積もる性質があるからです。

 

以前にお話ししましたが、人間が関心のないものに対して向けるのは無関心です。自分の主張を認めてもらうには、少なくとも注意を引かなくてはなりません。人の注意を引くには、それなりの準備がいることはお分かりでしょう。しかし、多少の無理を承知で、手っ取り早く複数人の賛同を得る方法が無い訳ではありません。良いとも悪いとも言えないものに対して、良いか悪いかの二択をせまると、少なくとも何人かは良いの方を選んでくれます。これが何を意味するかというと、数字の上では自分の意見に賛同してくれた人が何人かいるということを表すのです。

 

数字には説明と証明を同時に果たす効果があります。客観的な数値として賛同する人数を示すだけで、それがたった一人であったとしても主張を支える信用につながります。数字の取り方によっては、いささか詐欺めいた方法になるのですが、巷にはこの数字を使った広告や説明が溢れています。

現代社会では特に、個の存在の見えない数字が氾濫しています。割り切って利用しても良いですが、できるならば理由や経緯にまで踏み込んで判断をするようにしましょう。

 

 

<まとめ>

l  人間一人でできることには限りがある。

l  何もしてくれなくても、賛同してくれる人がいれば支えになる。

l  数字の扱い方、扱われ方に注意。

 

謹告

この文章には著者の主観に基づく考察が多く含まれています。内容を実行して何らかの不利益を被った場合においても、その責任は一切負いかねますのでご了承ください。

また、ここに書かれた技術が誰にでも適するとは限りません。内容を基にして、自分なりの工夫をされることを推奨します。

自分に合った技術を身に付けることが最良であり、この文章が読者の役に立つことを願っています。

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