すぐに使える対人術

人と上手に話す「対人術」を解説しております。ぜひ、お試し下さい。

【第18回】すぐに使える対人術:中級編 自己分析/好き嫌い

人には好悪の感情があります。そのどちらも相手のことを知らなければ生じないというのはお気づきでしょうか?

人間が全く知らない人に向けるのは、無関心です。直接にせよ間接にせよ何らかの形でその人に対する印象を受けている場合にだけ、そこから感情が表されます。

自分に似ているもの、協力してくれるものを好み、異質なもの、邪魔するものを嫌う。というのが基本的な人間の好悪の性質です。しかし、人間は複数の判断基準を持っており、その価値観は単純には決まりません。

例えば、奇抜な服装を見た時に、それをファッションと捉えるか、ありえないと思うのかは人次第です。その人個人の気質と言い換えても良いでしょう。

さて、この好悪感情が対人関係にどのような影響を与えるかについては、説明するまでもないでしょう。今回と次回は、その感情の基になっている人に対する印象を分析することについてお話をします。

 

よくあることなのですが、役者さんの演技を見て抱いた印象を、そのまま役者個人に対する印象にすり替えてしまっている人がいます。直接関わる機会の少ない人に対してならば、さしたる問題はないのですが、実際に関わる人に対して印象のすり替えをしてしまわないように気をつける必要があります。運動部系の人って暑苦しいよね。とか、文科系って地味。のように、所属や活動の印象を先取りして判断してしまうことです。

その所属や活動に対する好き嫌いが、それを行う人に対する印象になってしまう。先入観が正しい対人判断を難しくしているのです。

 

人のしぐさや振る舞いを見ることと、人が行っている活動を見ることは全く違います。前者は、自然に行われて、その人の心や気質を表すものですが、後者は人がその活動の枠内に入っているだけで、当人の姿を反映するものではないからです。

人が何を選択しているのかによって、その人を知る方法は確かにありますが、大抵は先入観に基づく推測に過ぎません。

 

その人のことをきちんと知らずに、直感的に気に入ったとか好き嫌いを決めつけるのは、失礼です。第一印象や事前の情報は確かに大事ですが、人元関係を続けるかどうかは中身で判断することを忘れないようにしましょう。

次回に続きます。

 

<まとめ>

l  人への感情は印象が基になって表れる。

l  人間が持つ価値の基準はさまざまで、単純には決まらない。

l  その人の活動から受けた印象を、その人個人の印象にしてしまわないように気をつけよう。

 

謹告

この文章は著者の主観に基づく考察が多分に含まれます。内容を実行して何らかの不利益を被った場合においても、その責任は一切負いかねますのでご了承ください。

また、ここに書かれた技術が誰にでも適するとは限りません。内容を基にして、自分なりの工夫をされることを推奨します。

自分に合った対人技術を身に付けることが最良であり、この文章が読者の役に立つことを願っています。

スポンサードリンク