すぐに使える対人術

人と上手に話す「対人術」を解説しております。ぜひ、お試し下さい。

【第6回】すぐに使える対人術/人前での発表/自分を語る

人前に出て話をする。そんな経験に対して、何も反応をしない人はいません。

スピーチや演説の場は、誰が聴いているかもわからない、どういう反応をされているかもわからない、上手く話すことができなくても、演者を助ける人はいない孤立無援の地獄のように思っている人もいるのではないでしょうか。

 

人前で話すことが上手い人達は、必ず事前に準備をしています。何の用意もせずに素晴らしい話ができる人もいますが、そういう人は確実にこれまで多くの経験を積んでおり、それを基に話をしているのです。

今回の提案は、誰にでも語ることができる経験を準備する。です。自分が見たこと、聞いたこと、感じたことは、全て完全なあなただけのオリジナルです。話のテーマを決め、それに合わせた自分の話をしましょう。これは、難しいことではないはずです。「こういう事があって、自分は何をして、どう思ったのか」そして、それが話のテーマと関連付けられれば完璧です。

 

人間社会で活動するためには、自分を表現することが必須です。誰かに知ってもらうためには、自分が何者であるかを説明できなければいけません。とは言っても、全てをさらけ出す訳ではないです。必ず、自分を表現する時にはテーマが与えられます。発表や報告なら、何をやったのかについて。質問を受けたなら、その内容について。一見テーマが与えられていないように見えても、話している場所や状況から、適切な話題を絞ることができるはずです。

 

テーマが決まったら、内容を考えます。内容の候補になるのが、先に述べた自分自身の経験です。ここでは、人から聞いた話も経験に含まれます。聞いた話であることを前置きすればよいので、優れた話は率先して引用しましょう。ただし、時事的な事柄や、あまりバラエティ色の強い話はやめた方が賢明です。不特定多数の人間を相手にする時は、どのような性質の人が聞き手にいるのか分からないからです。

経験と話のテーマが離れているなら、その経験の解釈をテーマに沿って考え直してみるのも手です。人間のできる経験には限りがありますが、その解釈には何通りもあります。どんなことでも、記憶に残る自分の経験は貴重なものだということを覚えておきましょう。

 

発表の場は、地獄ではありません。自分に回ってきた自己主張の順番と捉えましょう。何も発表しないという選択よりは、失敗しても何かを伝える努力をした方が良いと思いませんか?

苦手な人も多いと思いますが、機会を生かしましょう。

 

<まとめ>

l  自分の経験を整理して、語れるようになろう。

l  テーマに合わせて、自分の経験から発表内容を選ぼう。

l  経験は有限、解釈は無限。

 

謹告

この文章は著者の主観に基づく考察が多分に含まれます。内容を実行して何らかの不利益を被った場合においても、その責任は一切負いかねますのでご了承ください。

また、ここに書かれた技術が誰にでも適するとは限りません。内容を基にして、自分なりの工夫をされることを推奨します。

自分に合った対人技術を身に付けることが最良であり、この文章が読者の役に立つことを願っています。