すぐに使える対人術

人と上手に話す「対人術」を解説しております。ぜひ、お試し下さい。

すぐに使える対人術:特別編 雑考 社会人と電話

かかってくる電話を取れない新入社員が増えていると言われています。携帯電話の普及により、自分を相手とする用件以外の電話に対応したり、取り次いだりする機会が減少し、云々という原因分析がされています。

 

今回はこれを別の角度から見てみます。

 

電話中の人間の頭の中では、実際には近くにいない人間の声が、直接頭の中に響く状態が作り出されています。

人間は近くのものに親しみ、遠くのものには緊張します。そのため、近くに取り入れるものを選別して、極力ストレスを感じないようにしています。そうして日頃、親しい人間の声しか電話から聞いていない人間が、社会的な電話に応対しなければならない時、遠くの人間の声を、直接脳内に響かせる必要に迫られることになります。

 

遠くの人間とは、物理的な距離の話ではありません。知っている人間からかかって来る電話であれば、内容も大体想像が付きますし、応対しやすい相手だとすぐに判断できるのはお分かりの事であろうと思います。

 

組織の一員として電話を取らなければいけない時、特に、新入社員で取引先などを全く知らない時、電話を取る場合には二種類のストレスがかかります。

一つ目は、組織の一員としての応対を強制される事です。当然ですね。

二つ目は、自分の都合とは関係無くかかって来る、知らない人間の声を頭の中に響かせなければいけないという事です。

この二種類のストレスは、立場などに関係無く、組織に属しているならば誰でも感じる類のものです。

 

電話はかける側の一方的なコミュニケーション強制手段です。受け手は自分の都合に関係無く、かかってきたら対応しなければいけません。知っている人間からであれば、都合が悪い時は急ぎの用事ではないと判断して取らなかったりできますが、仕事上では不可能です。

 

とりわけ、仕事をひとつひとつ覚えようとするタイプの新入社員にとっては、やっている作業の妨害であり、電話の内容を連絡・伝達をしなければいけないので余計な作業が増える厄介者以外の何物でも無い存在に捉えられてしまうでしょう。

きちんと対応する/しないという次元の話ではないのです。ただ、自分のやろうとしている事の邪魔になる。そう捉えた瞬間から、かかってくる電話に対して積極的に対応したいとは思わなくなります。

ここまで来ると、新入社員でなくても、理解・共感できる人もいるのではないでしょうか。

 

新入社員だった人も、その内、自分が抱えている案件の電話であれば、面倒だと思いながらも出るようになります。仕事上必要、という別の価値が生じるからです。また、電話を我慢して取り続けていれば、大抵の場合かかって来る内容や、相手の区分ができるようになります。電話の相手個人は知らなくても、自分の中に作られた区分に当てはめて判断することによってストレスを軽減できるようになります。

 

それでも、面倒で邪魔な存在な認識には変わりありません。新入社員だから電話を取れないとか、携帯が普及して云々とかそういう話では無く、電話応対時に誰でも感じるストレスに対しての防衛反応に近いと捉えるのが正しいのではないでしょうか。その反応が年々過剰に表れるようになっているのか、それともOJTが上手く機能していない組織が増えているのか、更に一歩踏み込んだ部分までは分かりませんが。

 

対策というほどでもないのですが、電話に対しては積極的に取って、場数を踏んでいくのが最上の改善方法です。自分の中で対応パターンや相手の分類ができなければ、頭の中に土足で踏み込んでくる知らない人間に対抗することはできませんし、適切な応対もままならないことが多々あります。経験値を積むしかありません。

また、仕事全体の中から電話応対を捉えて、最初から必要な業務の一部分だと割り切ってしまうのも有効です。当たり前の事を言っているように聞こえるでしょうが、業務内容に電話応対が含まれる事を意識して組織に入ろうとする人間がどれほどいるでしょう?

やっている人、できている人、その世界に浸かってしまっている人の常識は、そうでない人にとっては非常識です。たまたま、多くの人が同じ社会性の世界に属しているので、電話応対ができない新入社員が増えていると見えているだけなのです。

 

<まとめ>

  • 電話は受け手にコミュニケーションを強制するツール
  • 知らない相手に対しても、自分なりの判断基準で区分すればストレスを軽減できる。
  • 電話を邪魔と捉えず、全体の中の必要な一部分と認識するのも有効。

 

謹告

この文章には著者の主観に基づく考察が多く含まれています。内容を実行して何らかの不利益を被った場合においても、その責任は一切負いかねますのでご了承ください。

また、ここに書かれた技術が誰にでも適するとは限りません。内容を基にして、自分なりの工夫をされることを推奨します。

自分に合った技術を身に付けることが最良であり、この文章が読者の役に立つことを願っています。

【第26回】すぐに使える対人術:上級編 対人術奥義/気持ちの笑顔

この「すぐに使える対人術」は今回で一区切りとなります。なので、少々仰々しいタイトルが冠してありますが、内容は単純です。

人と接する時には、常に心の中で笑顔を作っておくこと。です。

人と相対した時に、いきなりケンカを吹っかけたい人がいるでしょうか?

どんなに嫌いな相手でも、出会い頭に攻撃することはしない筈です。それをやるのは犯罪者と知性の低い動物だけです。

基本的に、人間関係は他者との関わりを通して、気晴らし・暇潰し・ビジネス・相談などの目的を達成するために築かれます。そして、大抵の場合、たとえ一度しか会う事のない人に対しても、良い人間関係を築けるに越したことはありません。そのために大事な要素が気持ちの笑顔です。

 

心の中で思っていること、考えていること、その詳細は他の誰にも分かりません。しかし、何となくどういうことを考えているのか。というのは、他者から見て結構な確率で分かります。

人間の体は、心と連動しています。そのため、どんなに意識して抑えても、必ず心の中を反映した体の反応が、どこかに表れています。そのため、対面でのコミュニケーションはもちろん、声を使う電話でも、気は抜けません。また、社会では、笑顔でさえ失礼に当たる場面や状況があります。どんな場であろうとも、人間関係を上手くやる必要性は変わりません。いついかなる場合でも、心の中は表現の自由が確保されていますので、上手く使いましょう。

心の中に笑顔を作っておくことの大切さが伝われば幸いです。

 

<まとめ>

l  人との関係は、良いに越したことはない。

l  心の中にある思いや考えは、体にも影響を与える。

l  人間と関係する時は、心の中で笑顔をつくろう。

 

謹告

この文章には著者の主観に基づく考察が多く含まれています。内容を実行して何らかの不利益を被った場合においても、その責任は一切負いかねますのでご了承ください。

また、ここに書かれた技術が誰にでも適するとは限りません。内容を基にして、自分なりの工夫をされることを推奨します。

自分に合った技術を身に付けることが最良であり、この文章が読者の役に立つことを願っています。

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【第25回】すぐに使える対人術:上級編 対人哲学8 人の全力を引き出す

人は金で動く。確かにそういう面もあります。名声・人気・報酬、社会に対して良い行いをした人には、自然と集まるものです。しかし、人が本当に良い仕事をするのは、どんな時なのかを考えてみましょう。人の本領を発揮させ、100%の力を使って動いてもらうために必要な要素が分かるはずです。

子どもの頃、遊びに夢中になって時間が経つのを忘れた経験はありませんか?

反対に、親に無理矢理に習い事へ連れて行かれて、早く終わんないかなーと、長い時間を過ごしたことはないでしょうか?

やっておいて良かった。という言葉を聞くと思います。何かあった時に役に立つ。大人になってから良さが分かる。そういった類のものです。それらは確かに、無いよりは有る方が良いでしょう。ですが、考えてみてください。その、やっておいて良かった事柄が役に立つのは、どんな場面ですか?

 

自分で気付かなければ価値の分からない事柄は、世の中にはたくさんあります。しかし、本当に意味や価値のある事柄は、気付く必要もなく自分の中に存在していることをご存知ですか?

責任や、道義、人情など、社会に出て働く理由は、報酬以外にもあります。ですが、いずれも自分が主体では無いことにお気付きでしょうか。他人が主体なのです。他者に何かしてあげる。それに対して責任が生じる。対価が発生する。それを行う理由は、道義や人情。社会の役に立つ事柄だから。誰かの助けになるから。

 

人間が幸せを感じるのは、全てが自分の思い通りになっている時。ではありません。地位も、金も、名誉も。有力な友人や巨大な組織が味方であったとしても、自分が満たされていなければ何の意味もないのです。人間が最も満たされるのは、一心に何かに取り組んでいる時間の間です。

世の中には、金で動かない人間もいます。正確に言うと、金では動けないのです。何故なら、自分が行動を起こす理由にはならないと考えているから。他人から何を出されようと、他人に何をしてあげようとも、社会はそれに見合った対価以下のものしか払いません。自分という主体を満足させるものは、結果には存在せず、過程の中にあるのです。

 

よって、人に全力を出してもらうためには、その人が無心になって没頭できる事柄を依頼しなければなりません。それをやって何がもらえるとか、その意味や価値に関係無く、自分が主体となって目の前の物事に取り組める。これだけで良いのです。

人は、主体性に飢えています。自分にしかできないこと、自分の存在意義を、気付かない内に探しています。真に適切な仕事を人に与え、夢中になってやってもらった事柄は、それが社会の役には立たなくても、素晴らしい価値があることを理解しましょう。

見返りなど一切無くても、本当にやりがいのある事柄を頼まれれば、誰も断りませんし、優れた結果を出してくれます。熱中できるものを見極めるには、その人と向き合ってよく知っておく必要がありますが、見極めなくても、自分自身が夢中になって取り組んでいるものに巻き込んでいく方法が使えます。事実や法則ではありませんが、人は無心で物事を行う人に共感し、応援する性質を持っています。

何かやりたい事があるならば、四六時中ずっとその事だけを考えて行動しましょう。本気で成功したいなら、それが可能なはずです。

 

<まとめ>

l  人は、夢中になっている時に一番能力を発揮する。

l  何かと引き換えに行動をする限り、満足することは有り得ない。

l  自分や他人に夢中になれる何かを与えてあげよう。

 
謹告

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【第24回】すぐに使える対人術:上級編 自己分析4/運命の選択

運命は存在すると思いますか?

あらかじめ決められた物事の通りに話が進む。そんなことは、まずありえないと言っておきます。その上で、疑似的な運命を自分に引き寄せることは可能である。というお話をします。

全ての生き物は、意識的にせよ無意識にしても、常に何らかの選択をして生きています。自分で選んだ道とは思えなくても、その強制を受け入れることを選んだのは不本意でも自分自身なのです。

この選択によって、何と出会い、何を感じ、何が残るのかが決まります。運命を創りたいならば、この選択の重要性を覚えておきましょう。

 

次に、自分にとって好ましい選択をしやすくする方法をお話しします。意識的に自分に合った選択をすることは簡単です。しかし、選択は無意識の内にも行われています。この無意識の選択について説明を加えます。

例えば、歩き始めに左右どちらの足を前に出すか、気にしている人はいますか? 目の前にいきなりボールが飛んで来た時、どんな反応をするでしょうか?

頭で考えることなく、無意識の内に行動することは、生き物の生存にとても重要な働きをしています。何も考えなくても足を動かして歩けたり、ボールが飛んで来た時に避けたり取ったりできるのは、無意識の内に行動が選択されているからなのです。

 

この無意識が選ぶものに方向性を与えてやれば、自分の望む運命に近付けます。考えていてもいなくても、求めているものを手に入れる方向に行動することを選択するようになるからです。さて、無意識に選択するものに方向性を与えるには、思い込みが重要です。

思い込みと言えば、自分は最強の存在だ。のような妄執のことではありません。自分は、数学は苦手だけど、体育は得意だ。とか、最近ある人のことをよく考えている。のようなものです。自分自身に対する気付きや理解と言い換えても良いでしょう。

 

実際にそうであるかどうかに関わらず、自分はこれが得意だとか、これは苦手だと思っているものに対しては、選択される確率が大きく異なることがお分かりになるでしょうか?

胡散臭い言い方をすれば、自己暗示と呼ばれるものです。自分はこういう人間だと自分に言い聞かせることで、能力を引き出す方法です。が、この方法には即効性がありません。願うだけで望みが叶うという話がたまにありますが、そんなことは絶対にありえません。なぜなら、能力は引き出されるものではなく、身に付くものだからです。何も勉強しない人間が、自分は天才であると思い込んで試験に臨んでも、結果は見えています。

 

一つ一つの選択による、経験の積み重ね無くして、自分の望む運命を引き寄せることはできません。逆に言えば、自分に必要な経験を選択し続けて行けば、希望に沿った形の現実に辿り着く可能性が高くなる。ということです。

意識的にも、無意識でも、自分が何を欲しているのかに従って、行動を起こして行きましょう。

 

<まとめ>

l  絶対的な運命は存在しない。

l  現実は選択の積み重ねで創られる。

l  無意識でも望む方向を選択できるように、自分の理解をしっかりしておこう。

 

謹告

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【第23回】すぐに使える対人術:上級編 対人哲学7/常に正義に立つ

創造と破壊。どちらが好きですか?

この問いに対する答えは、当然人によっても、状況によっても違います。しかし、社会的な関係性の中で考えると、その答えは大きく偏ります。

今回は大義名分についてお話をします。

根拠が無いことでも、自分にとって都合が良いことを言われると、人間は信じたくなるものです。「本当かどうか分からないけど、そうなったら良いよね。」という思考が働くからです。

反対に、自分に不利益な事を言われれば、根拠が無くても嫌がったり対策をしようとします。極端な例を挙げれば、霊感商法や、健康サプリメントの販売がそれに当たります。人の不安を煽り、そうならないための手段を手っ取り早く提示することで、商品の売り込みをしているのです。

何が言いたいのか、お分かりになるでしょうか?

 

人間は、自分にとって良い方向を示してくれるものに従ったり、欲したりします。たとえ、正しいことであったとしても不利益になるような主張は受け入れにくいのが人間です。この一番良い例はタバコです。長期的に見て、医学的な見地からタバコの身体に与える害は明らかですが、その時の気持ちの安定や、周囲との付き合いなどの目先の効果や利益が優先されて止めようとはしません。遠い先の不安よりも、今の安定やお付き合いの方が価値があると考えられているからです。

 

さて、今回のテーマは、常に正義に立つ。です。これを言い換えると、皆のため、人のためといった大義を掲げられる側に立ち続けるということです。自分にも利益があるけれども利己的ではなく、他者のために働くというコンセプトで話をすると、たとえ中身がすっからかんでも真っ当な話をしているように聞こえます。

また、困ったことに、きちんとした証拠をいちいち示して話をするよりも、このすっからかんな理想論の方が人々の心をつかみ、受け入れられやすいという傾向があります。大体、すっからかんなまま人気だけでのし上がっても、すぐに潰れてしまうのが常です。しかし、それを分かっているならば、それをすること自体が時間の無駄であることは言うまでもありません。

 

最初に話をする時には、概要を分かりやすく、明確にしゃべるだけにしましょう。これが今回の提案です。自分の話をとにかく聞いてもらい、受け入れてもらう必要がある時は、すっからかんの理想論を真似してみましょう。興味を持った人や、まともな人は、必ず中身に突っ込みを入れてくれます。まずは話を聞いてもらわなければ、何も始まらないのです。多くの人間から好感を持たれ、内容もしっかりしていれば誰からも文句は出ません。

他者のため、地域のため、次の世代のため、掲げる大義名分の内容は、自分の主張が社会に与える影響を考えれば簡単に分かります。自分が何のために戦っているのかを示す旗印のようなものです。中身の無い議論や会議の場では、この大義名分を前面に押し出すだけで自分の意思を押し切れてしまうことさえあります。

 

大義名分を使う前には条件が二つあります。一つは、誰が考えても正しいと思える内容であること。二つ目は、主張する人間に信用があること。です。中身の問題は、前述したように後付けで審査されますが、しゃべる人間がどんな人物か、何を言っているのかは、その場で判断されます。創造的な話は受け入れられやすく、破壊的な話は却下されやすいのです。

人間の社会は偏見に満ちています。上手く世渡りをするためには、常に正義の側に立ちましょう。

 

<まとめ>

l  大義名分を掲げるだけで、意見が受け入れられやすくなる。

l  理想論は人を引き付ける。中身を用意しておけば完璧。

l  社会は偏見の塊。

 

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【第22回】すぐに使える対人術:上級編 自己分析3/人の行動のパターン化

この「すぐに使える対人術」上級編は、自己分析から始まっています。自分がどういう時に何を感じるのか、その感じる理由や状況をパターン化して、自分の性質を知っておくことをお話ししました。今回は、それを踏まえた上で、相手の行動のパターン化をお話しします。

かつて、人相学というものが流行りました。人の性質は顔に出る。顔の特徴を分類し、分析すれば、人相からその人のことが分かる。というものです。これが正しいのかどうかは、占星術と同じ水準で考えれば良いでしょう。この話の重要な点は一つだけです。人間の持つ特徴は、分類することができる。という点です。分類できるということは、一定の基準に従えば、法則性を見出せるということを意味しています。法則が理解できれば、人間の特徴をつかめるのかも知れません。

 

自己分析の回で説明した印象についての説明と似ているので、すでにお分かりかも知れませんが、人間の感じる事柄や反応の種類は、それほど多くありません。自分から見て外の世界から受ける刺激や出来事は、全て条件の違う異なったものですが、それに対応する人間の反応は、驚くほどに種類が限られています。違うように見えるのは、個人個人の感じ方、印象の持ち方が違うからです。同じ刺激に対しても、人によって反応は違います。しかし、反応が違う人に対しても、刺激が変われば同じ反応を示すかも知れません。

具体例を挙げます。甘い物が好きな人と、辛い物が好きな人がいます。両者に甘い物をあげると、好きな物をもらって喜びを表す人と、食べ物をもらったことに感謝する反応の違いが表れます。次は反対に辛い物を両者にあげると、反応は逆になるでしょう。

何が言いたいのかというと、人によって反応する条件が違うだけで、反応の種類は限られているということです。

 

相手が反応する条件が何かを把握すれば、相手から引き出せる反応をコントロールできるのかも知れません。しかし、パターン化するのは無限にある条件や刺激の種類ではなく、反応の方が簡単です。人間が喜怒哀楽その他の感情を表す時、その方法にはパターンがあります。それを知っていれば、相手がどのような感情を抱いているのかを推測することができます。

 

さて、そうは言っても、他者はこちらの分析の都合に合わせて感情表現をしたりしませんし、例えば相手をわざと怒らせるような行動を取る訳にもいきません。そこで、自分を分析します。自分が感情的になった時、どのような行動を取ったかを思い返してみましょう。ある程度の年齢に達した人ならば、感情的になっても、それに振り回されて完全に自我を失うことはないはずです。自己分析の延長線として、自分の行動を思い出し、パターン化してみましょう。

 

自分も、他者も、同じ人間です。どんな人間も、共通の行動を取るのは当たり前のことだと言えるでしょう。反応のパターン化をすることで、相手の感情を知れば、何かと有利に物事を進められる。かもしれません。

 

<まとめ>

l  世の中で起こることは色々あっても、人間の反応には一定のパターンがある。

l  人によって何に反応するかは違っても、反応の種類は共通する。

l  感情に対応する人間の反応パターンを知っておくと、相手のことが良く分かる。

 

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【第21回】すぐに使える対人術:上級編 対人哲学6/味方の数

人間が一人の力でできることには限りがあります。そんなに才能や技術、能力があろうとも、一人の人間である限り、行動や活動には制限が生じます。民主主義が重視される現代社会では、更にその傾向は強まります。正しい主張を一人でするよりも、徒党を組んで誤った主張を打ち上げる集団の方が影響力が高いのは、いつの世も同じです。

今回のテーマは、味方の数についてです。自分と一緒に活動してくれる人の数についてのお話。ではありません。何もしてくれなくても、自分と同じ側に立ってくれる人が一人でもいれば、満足感を得ることができます。何故ならば、一人ではない。というだけで、二つの効果があるからです。

1.自分が独りよがりな存在ではないことの証明

2.孤独な戦いではないという心理的支え

 

2は冗談ではなく、重要な効果です。一人きりで何か活動をするのは、短時間であれば誰でも平気ですが、長期間に渡って続けるとなると大きな負担がかかります。自分の他にも同じ考えの人間がいることを知っているかいないかで、精神的な負担は大きく変わります。どんなに強く意思を保っていても、正しい内容であっても、一人きりでは長続きしません。人間は、自分の起こした行動に対して、何らかの変化が起きない場合には、その行動の価値を低く見積もる性質があるからです。

 

以前にお話ししましたが、人間が関心のないものに対して向けるのは無関心です。自分の主張を認めてもらうには、少なくとも注意を引かなくてはなりません。人の注意を引くには、それなりの準備がいることはお分かりでしょう。しかし、多少の無理を承知で、手っ取り早く複数人の賛同を得る方法が無い訳ではありません。良いとも悪いとも言えないものに対して、良いか悪いかの二択をせまると、少なくとも何人かは良いの方を選んでくれます。これが何を意味するかというと、数字の上では自分の意見に賛同してくれた人が何人かいるということを表すのです。

 

数字には説明と証明を同時に果たす効果があります。客観的な数値として賛同する人数を示すだけで、それがたった一人であったとしても主張を支える信用につながります。数字の取り方によっては、いささか詐欺めいた方法になるのですが、巷にはこの数字を使った広告や説明が溢れています。

現代社会では特に、個の存在の見えない数字が氾濫しています。割り切って利用しても良いですが、できるならば理由や経緯にまで踏み込んで判断をするようにしましょう。

 

 

<まとめ>

l  人間一人でできることには限りがある。

l  何もしてくれなくても、賛同してくれる人がいれば支えになる。

l  数字の扱い方、扱われ方に注意。

 

謹告

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自分に合った技術を身に付けることが最良であり、この文章が読者の役に立つことを願っています。

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