すぐに使える対人術

人と上手に話す「対人術」を解説しております。ぜひ、お試し下さい。

【第3回】すぐに使える対人術/ひとりの時/目の方向と脳の働き1

ひとりで考えている時、どこを見ているのか気にしたことはありますか?

ほとんどの人はそんなことを気にしてはいません。ただぼんやりとなんとなく目を開いていたり、閉じていたり。

 

 

今回は対人術ではなく、自分の脳をより効率よく働かせる方法をお話しします。

人間は、特定の方向に目を向けると、その方向に応じた脳の働きが活性化されます。有名な例として、「嘘をつく人は右上を見る」という話があります。ここでは右上の方向を見ることが、人間の脳にどのような影響を与えているのかを説明します。

 

「嘘」というのは、言い換えると空想の事柄をあたかも現実のことのように話す行為です。この意味を拡大すると、その人が持っている知識を使って行われる創作活動と考えることができます。

 

人間が右上の方向を見る時には、左脳に思い浮かべられている言葉の概念が、視覚のイメージとして思い浮かぶそうです。(注1)

これをかみ砕いて説明すると、右上を見ながらなんらかの言葉(例えば雲とか空といった単語)を思い浮かべると、頭の中にその言葉のイメージ映像(例では雲や空の映像)が見えます。他の方向を見ながらでも同じことはできますが、脳の働かせ方として一番効率的な方向が右上だということです。

 

「翼があって、巨大な体の、鋭い爪と牙を持った、火を吹くトカゲ」

のように、人間は実際に見たことがなくても言葉のイメージを視覚的に思い浮かべることによって、想像という行為を行えます。あらゆる創造的な事柄は、人間のこの想像力が基になって生み出されてきました。

身近な所では、今後の計画を立てる時やイメージトレーニングなど、頭の中で未来の事を考える際に、常日頃この想像力を活用しています。

 

脳が持つ創造的な活動の力を引き出すために、想像する時には実際に目線を右上に向けてみましょう。

 

<まとめ>

l  目を右上に向けると、脳が持っている想像力を引き出しやすい。

l  人間は言葉の持つ概念からイメージして、自由に創作活動を行うことができる。

 

謹告

この文章には著者の主観的考察が多分に含まれます。内容を実行して何らかの不利益を被った場合においても、その責任は一切負いかねますのでご了承ください。

自分に合った技術を身に付けることが最良であり、内容を基にして自分なりの工夫をされることを推奨します。

この文章が読者の役に立つことを願っています。

 

注1参照:リチャード・バンドラー 「神経言語プログラミング」 東京図書