すぐに使える対人術

人と上手に話す「対人術」を解説しております。ぜひ、お試し下さい。

【第8回】すぐに使える対人術/対人哲学3/集団に所属する

人間は身内や気に入っている人とのコミュニケーションを好み、そのやり方は見知らぬ他人に対する関わり方とは大きく異なります。

くだけた言葉使いができる間柄である程、自分の本心を隠さなくて良い関係である程、人はその対象に甘えます。人間は成長に従って、甘えの程度を下げた関係でも築いていけるようになります。また、甘えの程度が低い関係からでも、次第にその段階が上がっていき、自分と相手の求める甘えの程度が一致する段階で、友人関係や仲間意識が成立します。

 

今回は、集団内での関係についてお話しします。

一定の甘えが通用する場合には、コミュニケーションを取ることに特別の配慮はいりません。身内に対してはもちろん、同じ目的や嗜好を持って集まるグループにおいても、最低限度の礼儀と、場面に則した振る舞いを守れば、問題が起こることはほとんどないでしょう。

しかし、その甘えが通用するかどうかの判断は慎重に行わればなりません。たいていの場合、集団の仲間と認められていれば大丈夫です。

 

集団には、集まる目的や理由があります。関係する全員が何かを求めて集まっており、それを邪魔してはいけません。それぞれの人間が持つ立場や能力、興味が違う中で、集まって作られる集団の意味を理解した上で所属するところを選ぶ必要があるのです。

 

今回の提案は、自分の興味で集団を選ぶ。です。言い換えると、自分が興味のあることを目的として活動している集団に入ることです。当たり前のように感じるでしょうが、意外とそれができている人が少ないのが現実です。多くの人が集団が持っているものを基準にして所属を選択するからで、例えば、有名である、規模が大きい、レベルが高いなどです。これらは集団のものであって、そのネームバリューを使うことは出来ても、その集団で行う活動には関係しません。

 

人間は、やらされてやることには力を出し渋ります。反対に、やっていて気持ちの良いことには全力を出します。一緒に活動しているにもかかわらず、集団が求めているものに対して力をちゃんと出さない時、周りの人からは活動の邪魔をしているように見えるのです。

子どもの頃ならば、無理矢理に塾や習い事に通わされても嫌々が通用しますが、高校や大学、会社など、義務ではない活動集団に、興味を持たない人間が入ると、その人にとっては時間の無駄。周囲の人間にとっては邪魔と、互いにデメリットしかありません。

自分が積極的に関わっていける内容を扱う集団に所属する選択が、良好な人間関係を築く前提であることを知っておきましょう。

 

<まとめ>

l  親しき仲にも礼儀あり。

l  集団に入る前に、何が目的なのかを理解しておこう。

l  自分がやる気のあることを、自分でできる集団に入ると、良い人間関係を築きやすい。

 

謹告

この文章は著者の主観に基づく考察が多分に含まれます。内容を実行して何らかの不利益を被った場合においても、その責任は一切負いかねますのでご了承ください。